全一
ぜんいつ
名詞形容動詞
標準
perfect whole
文例 · 用例
勿論、私は常に全身像を製作しろといふやうなことを云つてゐるのではなく、トルソも結構、手だけでも結構だが、トルソならトルソで、それが全一的な感じを与へるものではなければならぬと云ふのである。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
全一的な一つの持続ぶりを示したものでない限り、それの存在してゐる姿といふものはないのだし、つまり歴史に参与するものではないのである。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
一週間、全一週間、そのために寝たっきり呻いていた、足の傷の上にこの体を載せて、歩いたので、患部に夥しい充血を招いたのに違いなかった。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
甚だしい極端の例を擧ぐれば、二十時間乃至二十二時間、或は全一晝夜を通じて張る氣で有り得ることもあり、然樣いふ人も有るが、多數人の實際は其の氣たるや駁雜で、決して純粹では有り得ぬもので有るから、一日夜中に二三時間も張る氣を保ち得るものが有れば、それは上等の事業家であり學者であると云つて宜い位である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
全一年の間――さうだ、私の病氣ももう全一年になる!
— 石川啄木 『病室より』 青空文庫
吾人は我が国民意識の最高調の中に、全一の調和に基ける文化の根本的発達の希望と、愛と意志の人生に於ける意義を拡充したる民族的理想の、一日も早く鬱勃として現はれ来らむ事を祈るの外に、殆んど為す所を知らざる者に御座候。
— 石川啄木 『渋民村より』 青空文庫
また、アッシャー一族の血統は非常に由緒あるものではあるが、いつの時代にも決して永続する分家を出したことがない、いいかえれば全一族は直系の子孫だけであり、ごく些細なごく一時的の変化はあっても今日まで常にそうであった、というまことに驚くべき事実をも知っていた。
— THE FALL OF HOUSE OF USHER 『アッシャー家の崩壊』 青空文庫
全一巻で、宇宙のあらゆる領域をカバーしてしまいます。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
作例 · 標準
芸術家は、細部と全体が完全に調和した全一の美を追求し続けている。
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彼の哲学は、万物が一つの根源から生じると説く全一の思想に基づいている。
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宇宙のすべてが一つの巨大な生命体として機能しているという、全一的な宇宙観。
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