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思わす

おもわす
動詞
1
標準
文例 · 用例
この同じ自然観が、芭蕉にあっては大いに異なり、鷹ひとつ見つけて嬉しいらこ岬   芭蕉 と言うような、全く魂の凍死を思わすような、荒寥たる漂泊旅愁のリリックとなって歌われている。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
月やはものを思わする。
太宰治 虚構の春 青空文庫
さながらに青白く燃えている燐の火を思わすような月光である。
佐々木味津三 十万石の怪談 青空文庫
見ると、いかさま呼び声の高いだけがものはあって、筋骨隆々とした六尺豊かな肉体は見るからにほれぼれとするような健康美をたくわえ、けわしからず、めめしからぬ整ったその顔は、なにさま相撲取り中第一の美男を思わするものがありました。
毒色のくちびる 右門捕物帖 青空文庫
安珍清姫恨みの恋路、坂田の金時|女夫の相撲、牛若丸はてんぐのあしらい、踊れといえば、そら、あのとおり、――牛若丸はてんぐの踊りとござい」 いいながらむちでたたくまねをすると、いかさま二匹のくまはのっそりのっそりと立ち上がって、いとも器用に鞍馬山の牛若丸を思わすような剣術の型を使いました。
耳のない浪人 右門捕物帖 青空文庫
槍傷でもなく、刀傷でもなく、俗にのど笛と称されている首筋の急所を大きくぐさりとえぐりとられて、さながらその傷口はざくろの実を思わするようなむごたらしさでした。
のろいのわら人形 右門捕物帖 青空文庫
仄のり色付いた桜の梢を雲のようにして、その上に寛永寺の銅葺屋根が積木のようになって重なり合い、またその背後には、回教風を真似た鋭い塔の尖や、西印度式の五輪塔でも思わすような、建物の上層がもくもくと聳え立っていた。
小栗虫太郎 絶景万国博覧会 青空文庫
かえって、それは、心を冷たく打ち挫ぎ、まるで枯れ尽した菅か、荒壁を思わす朽樹の肌でも見るかのような、妙にうら淋れた――まったく見ていると、その暗い情感が、ひしと心にのしかかってくるのだった。
小栗虫太郎 白蟻 青空文庫
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