遁出
遁出
名詞
標準
文例 · 用例
」 と遁出すような。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
それをば刈払ひ、遁出でむとするにその術なく、すること、なすこと、人見て必ず、眉を顰め、嘲り、笑ひ、卑め、罵り、はた悲み憂ひなどするにぞ、気あがり、心激し、ただじれにじれて、すべてのもの皆われをはらだたしむ。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
)と云ってな、三反ばかり山路の方へ宙を飛んで遁出したと思え。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
佐原の出で、なまじ故郷が近いだけに、外聞かたがた東京へ遁出した。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
)と、いうように聞えて、その白い菩薩の列の、一番|框へ近いのに――導かれるように、自分の頭と足が摺って出ると、我知らず声を立てて、わッと泣きながら遁出したんです。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
そうか、と云って、夜夜中、外へ遁出すことは思いも寄らず、で、がたがた震える、突伏す、一人で寝てしまったのがあります、これが一番可いのです。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
」と身体を反返り、涎をなすりて逸物を撫廻し撫廻し、ほうほうの体にて遁出しつ。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
……心中を仕損った、この人の、こころざし―― 私は門まで遁出したよ。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫