蓬壺
ほうこ
名詞
標準
文例 · 用例
楚歌、蓬壺をめぐつて響かむの日遠きにあらず。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
蓬壺の客もまた一団となって繰り出した。
— 和辻哲郎 『古寺巡礼』 青空文庫
蓬壺の人一 西八条の清盛の別邸も、この秋ばかりは寂としていた。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
園内に蓬を多く植えてあるので、そこの室を蓬壺と称んでいた。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
常日頃は、何かの弾みに、子や一族どもが、「もはやお年ですから」 とでも口を辷らせると、「ばかなっ」 と、すぐにわざと若々しげな声を出してみせる入道であったが、この秋は、そんな声も蓬壺に聞かれなかった。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
蓬壺の主人は、やはりもう今は貴族で、庶民のひとりではなかった。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
「呆れたものだ」 ひとり嘲っていたのは蓬壺の浄海入道のみであった。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
そして、われ知らず頬をながれるものを拭わずに、蓬壺の園にすだく昼の虫に心を沈めていると、どたどたっと廊を早足に渡ってくる跫音がした。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫