猛々
猛々
名詞
標準
文例 · 用例
即ちあの聡明なニイチェが言ったように、現代に於ける女性化主義者、――平和主義者や、社会主義者や、無政府主義者や――は、すべて羊の皮をきた狼であり、食肉鳥の猛々しい心を以て、柔和な福音を説く説教者である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
猛々しい犬は、小屋をも遠巻きに取巻いて、波のように、うごめき呻っていた。
— 黒島傳治 『前哨』 青空文庫
T「我が慈悲道得の刀を 受けよと言うより早く」 と話す武蔵「スラリとばかりT「両刀抜き放ちて 飛びかかり」 身振り手振りも面白くT「この時妖雲 谷を覆い 山は轟々 と鳴り響く」S=辻堂 猛々と立ちこめた白煙。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
燕王|覬覦の情無き能わざりしと雖も、道衍の扇を鼓して火を煽るにあらざれば、燕王|未だ必ずしも毒烟猛々、蕩々、糾々、昂々として、屈す可からず、撓む可からず、消す可からず、抑う可からざる者、燕王に遇うに当って、※然として破裂し、爆然として迸発せるものというべき耶、非耶。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
当時の諸侯は皆、戦陣活躍の雄で猛々しく激烈の人達であったが、何れも惜福の工夫などには疎くて、皆多くは暮らし向きが苦しく家計は乱れ、自らを支えられなくなって、威衰え家は傾き、甚だしいのは財産を失い領地を奪われるに至たり、そうならない迄も尾を垂れ、首を垂れて制裁を受けるに至ったのが多いのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
しかもかの二分の人々の、殺氣を孕んだ猛々しさといふものは、すでに尋常一樣のものではなかつた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
鼻息も荒く、後ろ足で立ち上がり、身体を上下に大きく揺さぶりながら、猛々しく走った。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
笑おうぞ、笑おうぞ、そのように猛々しゅう申さば、賄賂止めのこの制札が笑おうぞ」「なにッ、賄賂止めとは何を申すかッ。
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫