褊
褊
名詞
標準
文例 · 用例
それだけならばまだ好かったが、徳は兄には似ないで、かえって父栄玄の褊狭な気質を受け継いでいた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
自分は一體褊狹な人間なのであらう、同僚ともそんなに往復はない。
— 長塚節 『教師』 青空文庫
初めは人相の悪い奴だと思つたが、黒木綿の大分汚なくなつた袴を穿いて居たのが、蕎麦屋の出前持をする男には珍らしいと云ふので、褊狭者の主筆が買つてやつたのだと云ふ。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
禅師はその蛇と魚を鉢盂に入れて、それに褊衫を被せて封をし、それを雷峯寺の前へ持って往って埋め、その上に一つの塔をこしらえさして、白蛇と青魚を世に出られないようにした。
— 田中貢太郎 『雷峯塔物語』 青空文庫
禅師はその蛇と魚を鉢盂に入れて、それに褊衫を被せて封をし、それを雷峰寺の前へ持って往って埋め、その上に一つの塔をこしらえさして、白蛇と青魚を世に出られないようにした。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
されども歌人皆|頑陋褊狭にして古習を破るあたわず、古人の用い来りし普通の材料題目の中にてやや変化を試みしのみ。
— 正岡子規 『曙覧の歌』 青空文庫
これら不理の懲戒を受けたる者、残忍酷薄の人たらずんば必ず猜疑褊狭の人たるべきなり。
— 正岡子規 『病牀譫語』 青空文庫
白くて柔らくて艶があって、白芙容の花のように見える肌、そちたちの肌は白芙容じゃ、それが水のように透けている褊、それ一枚につつまれている。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫