疼
疼
名詞
標準
文例 · 用例
初冬の山と幾分か軽く視て、雪中の登山服装というほどの準備もしていなかったため、幾重の衣も徹されて、腹から股にかけ、薊で撫で廻されるような疼痛を感じ初めた、唇はピリッとして、亀裂するかと惑われ、その寒さにわなわなと骨髄から震動した。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
人間の足が、地についてる処が疼いてるんだ。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
そして、その後では、新鮮な溌溂たる疼痛だけが残された。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
―― 私は一つの重い計画を、行李の代りに背負って、折れた歯のように疼く足で、桟橋へ引っ返した。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
その間にボーイ長は、その負傷の疼痛を、陸上の父と母とに訴えた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
彼は傷の疼痛のために、非常にやせてしまった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そして、それは、彼自身でも、疼痛に対しては、非常にハッキリした意識を持っていたが、あまりに、そちらの方へのみあらゆる神経を集めたので、自分のもだえや叫喚には、ボンヤリしているのだった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
彼は、用を達したあとは、疲労と疼痛とで失心したような状態に陥るのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫