社参
しゃさん
名詞
標準
文例 · 用例
――一年、比野大納言、まだお年若で、京都|御名代として、日光の社参に下られたを饗応して、帰洛を品川へ送るのに、資治卿の装束が、藤色なる水干の裾を曳き、群鵆を白く染出だせる浮紋で、風折烏帽子に紫の懸緒を着けたに負けない気で、此大島守は、紺染の鎧直垂の下に、白き菊綴なして、上には紫の陣羽織。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
数※社参する中に、修験者らから神怪|幻詭の偉い談などを聞かされて、身に浸みたのであろう、長ずるに及んで何不自由なき大名の身でありながら、葷腥を遠ざけて滋味を食わず、身を持する謹厳で、超人間の境界を得たい望に現世の欲楽を取ることを敢てしなかった。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
「上さまは――将軍さまは、この二、三年とんと日光ご社参を仰せいだしになりませぬが、もうそろそろことしあたりがご順年でござりまするな」「そ、そ、そうのう。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
そういえば、もう仰せいだしになるころじゃのう……」 案の定、ずぼしが命中したか、日光ご社参と聞くと伊豆守の顔色にいっそうの狼狽が見えましたので、もうこうなれば右門の独擅場でした。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
あくまでも徳川にふくしゅうしようっていう魂胆で、まずそれには、というところから伊豆さまのご藩中へ先に巣を造り、巧みに所所ほうぼうへあのとおりのさるまわしとなって駆けまわり、将軍家の日光ご社参の機会を探っていたというわけさ。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
妙見社参詣、溜池に重なりあつてゐる亀はあはれであつた、人間の利己的信仰の具象である。
— 室積行乞 『行乞記』 青空文庫
白根神社参拝、古風で、派手でないのがうれしい。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
塩釜神社参拝、境内神さびて、おのづから頭がさがる、多羅葉樹の姿、松島遊園、――あまりに遊園化してゐる、うるさいと思ふ。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫