豚箱
ぶたばこ
名詞
標準
文例 · 用例
豚箱などは、のどかであった。
— 太宰治 『HUMAN LOST』 青空文庫
事実兄は、ぼくを中学の寄宿舎に置くと、一家を連れて上京、自分は××組合の書記長になり、学校にストライキを起しくびになり、お袋達が鎌倉に逃げかえった後も、豚箱から、インテリに活動しました。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
転向後だったので、兄は二カ月、ぼくは大した事もなかったので半日、豚箱に置かれました。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
水銀を飲まされたようなしわがれた声で、「――豚箱へはいって、面白そうに笑う人がおすか。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
ポケットに築地の切符の切端しが残っていたので、豚箱に入れられ、ワセダの下宿先を捜査されると、始末してなかったアカハタが一部出てきた。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
彼は思い深げにその入口の前に立ち止ると、へん、青くさい野郎奴、今こそ豚箱で……とにやり薄笑いを浮べた。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
ねえ帆村君、あのピストルが屋根裏でズドンと鳴った頃には、一平の奴上野署の豚箱のなかで、虱に噛まれていたらしいよ」「……」帆村は黙りこくっていた。
— 海野十三 『ネオン横丁殺人事件』 青空文庫
帆村はいま、暴行沙汰のため、警察の豚箱のなかに叩きこまれているはずだった。
— 海野十三 『蠅男』 青空文庫