賎しむ
いやしむ
動詞
標準
文例 · 用例
彼は冥想を愛して、俗界の感覺的生活を賤しむ如き、超俗的高邁の氣風を持つてる人物である。
— 萩原朔太郎 『非論理的性格の悲哀』 青空文庫
」「先生といふ必要がない」といふ聲を聽くのは、僕等の正に感動してゐる野口氏への愛慕を、實に根柢から拒絶するものであり、この場合の事情からしても、詩人にあるまじき純一性の缺乏で、もし鈍感からならば賤しむべく、故意に惡意からするならば許しがたき奴だと思つた。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
透見の女性達の眼には、その光景が、何かひどく悪い事でもしている現場を見届けでもしたように、とにかく笑うべく賤しむべきこととして取扱われているらしかった。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
形態的にははちの子やまた蚕ともそれほどひどくちがって特別に先験的に憎むべく賤しむべき素質を具備しているわけではないのである。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
女は「緋」と賤しむごとく答える。
— 夏目漱石 『一夜』 青空文庫
すなわち善に逢って善を好み、悪を見て悪を悪み、美に接して美を愛し、醜に近づいて醜を忌み、壮を仰いで壮を慕い、弱を目して弱を賤しむの類であります。
— 夏目漱石 『創作家の態度』 青空文庫
趣味の何物たるをも心得ぬ下司下郎の、わが卑しき心根に比較して他を賤しむに至っては許しがたい。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
兎に角、吾人に対して「事業を賤しむ」といふ御冷評は願下にしたく候。
— 北村透谷 『賤事業弁』 青空文庫