覬
覬
名詞
標準
文例 · 用例
東洋は古来、精神界においては、西洋と較べものにならぬほど深く見事に完成せられていて、西洋の最もすぐれた哲学者たちが時たま、それをわずかに覬覦しては仰天しているという事も聞いているが、西洋はそんな精神界の貧困を、科学によって補強しようとした。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
ただ幸いに芸術の在るありて感覚と情緒とにより、彼の風韻を覬覦し得る。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
燕王|覬覦の情無き能わざりしと雖も、道衍の扇を鼓して火を煽るにあらざれば、燕王|未だ必ずしも毒烟猛々、蕩々、糾々、昂々として、屈す可からず、撓む可からず、消す可からず、抑う可からざる者、燕王に遇うに当って、※然として破裂し、爆然として迸発せるものというべき耶、非耶。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
然無くても古より今に至るまで、関東諸国の民、あすこにも此所にも将門の霊を祀つて、隠然として其の所謂天位の覬覦者たる不届者に同情し、之を愛敬してゐることを事実に示してゐる。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
そこで夙に覬覦の心を懐いてゐたといふことは、面白さうではあるが、正統記に返還して宜いのである。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
母の虐げ、五十川女史の術数、近親の圧迫、社会の環視、女に対する男の覬覦、女の苟合などという葉子の敵を木村の一身におっかぶせて、それに女の心が企み出す残虐な仕打ちのあらん限りをそそぎかけようとするのであった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
「魏書」に、衛覬奏、刑法、国家所レ重、而私議所レ軽、獄者人命所レ懸、而選用者所レ卑、諸置二律学博士一、相教授、遂施行。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
と見えて、律学博士なるものは、この衛覬の建議によって始めて置かれたものであるという。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫