間広
まびろ
名詞
標準
文例 · 用例
間広き旅店の客少なく、夜半の鐘声|森として、凄風一陣身に染む時、長き廊下の最端に、跫然たる足音あり寂寞を破り近着き来りて、黒きもの颯とうつる障子の外なる幻影の、諸君の寝息を覗うあらむ。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
七時間広げて、午後に家に帰るのですが、見てみるとなんと、二六シリング四ペンスももらえていました。
— THE MAN WITH THE TWISTED LIP 『唇のねじれた男』 青空文庫
近いうちに立つ筈ですけれど」「今、入つしやるんですか」「今一寸買物に出ました」「あなたが里見さんの所へ御移りになると云ふのは本当ですか」「何うして」「何うしてつて――此間広田先生の所でそんな話がありましたから」「まだ極りません。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
吉野、松島の如きはその占有する所の空間広くして一見なほ幾多の時間を費す者、これ天然の美ありとするも美術的ならざるなり。
— 正岡子規 『俳諧大要』 青空文庫
が、ある朝、新聞記者が訪ねて来ると、「唐突な質問で恐縮ですが世態調査で伺ひたいのです」と先日の求間広告で申込があつたかどうか訊ねた。
— 原民喜 『二つの死』 青空文庫
リザ・セミョンノヴナはナースチャが来て半月後、アンナ・リヴォーヴナが出した貸間広告で来た銀行員である。
— 宮本百合子 『赤い貨車』 青空文庫
二人の外国女として伸子たちの求間広告がモスク※夕刊の広告欄に出た二日後、伸子たちは一通の封書をうけとった。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
世間広しといえども、そのひとと同じような第二の人間などはあろうはずもないのであります。
— モオパッサン 『墓』 青空文庫