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櫓声

ろせい
名詞
1
標準
文例 · 用例
櫓声に和して高らかに唱連れて、越中|米を満載したる五六|艘の船は漕寄せたり。
泉鏡花 取舵 青空文庫
舟津から一里あまりでござります」 人里を離れてキィーキィーの櫓声がひときわ耳にたつ。
伊藤左千夫 河口湖 青空文庫
キィーキィーの櫓声となめらかな水面に尾を引く舟足と、立ってる老爺と座しておる予とが、わずかに消しのこされている。
伊藤左千夫 河口湖 青空文庫
もう夕陽に彩られた沖のほうから、勇しい櫓声がして、吾れさきにと帰って来た漁船からは、魚を眼まぐろしくあげて、それを魚市場の沙利の上へ一面に並べた。
田中貢太郎 妖影 青空文庫
芦の葉ずれ、にぶい櫓声、柔かな砂土を踏むフェルト草履の感じ、それらのすべては、病を養う閑枝にとっては一殊淋しいものではあったが、また自分の心にピッタリと似合った好もしい淋しさでもあった。
山本禾太郎 仙人掌の花 青空文庫
それは閑枝の心に、黒い湖水が一ぱいに拡がり、芦の葉ずれの音や、ニブい櫓声が聞えてきたからである。
山本禾太郎 仙人掌の花 青空文庫
宿引は一礼して去り、船頭は軋と櫓声を立てゝ漕ぎ出す。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
櫓声静に我舟の行くまゝに、鴨が飛び、千鳥が飛ぶ。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫