新陳
しんちん
名詞
標準
文例 · 用例
それからして我我は、不斷に生れて不斷に死に、何の意味もなく目的もなく、永久に新陳代謝をする有機體の生活を考へるのである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
自分の店の客の新陳代謝はともよにはこの春の川の魚のようにも感ぜられた。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
室子は頬を撫でても、胸の皮膚を撫でても、小麦いろの肌の上へ、うすい脂が、グリスリンのように滲み出ているのを、掌で知り、たった一夜の中にも、こんなに肉体の新陳代謝の激しい自分を、まるで海驢のようだと思った。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
すなわち、心の流れによって人間の心理が一歩一歩おし進められて行き、呼吸と血液の脈動とによって肉体が新陳代謝を行い、両々相俟って自己の生存を遂げて行くところのこの大切な生命の流れは、その原動力なる心の流れと呼吸血流の遅速によって非常の影響を受けるのです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
いくたり客が新陳代謝してもフォワイヨの食堂の空気は肌質の細さを失わなかった。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
咽喉・気管・肺が快適になるだけでなく、肺への酸素の供給が十分で血液の浄化作用が完全に行われる結果、循環作用は良好となり、脳及び各器官はその消費に対する補充を得易くなり、胃腸の働きは強まり、摂取と排泄との連携は良好になり、新陳代謝はテキパキと遂行されて、身体は安らぎ精神は整えられる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
此所では大分新陳代謝が行はれた。
— 長塚節 『教師』 青空文庫
だから、斯う云ふ偶像にも亦常に新陳代謝や生存競争が行はれてゐる。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫