耳目に触れる
じもくにふれる
表現動詞-一段
標準
to come to one's notice
文例 · 用例
京子の父が、政党関係から警察方面へ早く手をまわしたので、事件は新聞社の通信員の耳目に触れることを完全に防いだ。
— 菊池寛 『第二の接吻』 青空文庫
あの人達が去った後でもまだ続いている欧羅巴の戦争、独り見る巴里の三月の日あたり、それらの耳目に触れるものから起って来る感覚は一層岸本の心を居残る旅らしくした。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
「お前もこの頃はやりの物質論者だ」 到るところで耳目に触れるようになって来ている唯物的という言葉を、瑛子は間違った内容にとりちがえて云った。
— 宮本百合子 『海流』 青空文庫
この大都会で日夜間断なく起るさまざまな犯罪のうち、われわれの耳目に触れるものはその百分の一にも当らない。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
この大都会で日夜間断なく起るさまざまな犯罪のうち、社会の耳目に触れるものはその百千分の一にも過ぎず、他の凡百の悪計と惨劇はわれわれの知らぬうちに始まり、われわれの知らぬうちに終る。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫