旅籠屋
はたごや
名詞
標準
hatago (type of Edo-period inn for travellers)
文例 · 用例
併しながら「亡び行く生物」の中に、この菜の花が、次第に加わるのではなかろうか、それとも都落ちの仲間に入って、次第に我等の付近から、影を隠してしまうのではあるまいか、場末の旅籠屋などで、食膳の漬け菜の中から、菜の花の蕾が交って出ることがあるが、偶然だけに、どんなにか私を悦ばすことだろう。
— 小島烏水 『菜の花』 青空文庫
山の宿屋というものを、思わせる「糸屋」と看板を出した旅籠屋には、椽側に紡車を置きっ放しにして、ひっそりかんとしている、馬車はここで停まった。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
薄暗きに華厳の滝をのぞきつ七時|過中禅寺湖畔の旅籠屋に入る。
— 伊藤左千夫 『滝見の旅』 青空文庫
あれはたしか文化四年四月の申渡しとおぼえていますが、町奉行所の申渡書では品川|宿旅籠屋安右衛門|抱とありますから、品川の貸座敷の娼妓ですね。
— 女行者 『半七捕物帳』 青空文庫
道連になった上人は、名古屋からこの越前敦賀の旅籠屋に来て、今しがた枕に就いた時まで、私が知ってる限り余り仰向けになったことのない、つまり傲然として物を見ない質の人物である。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
これが泊に着くと、大形の浴衣に変って、帯広解で焼酎をちびりちびり遣りながら、旅籠屋の女のふとった膝へ脛を上げようという輩じゃ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
」と呟いたのは、旅籠屋の亭主の声である。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
」「招も善悪でござりまして、姫方や小児衆は恐いとおっしゃって、旅籠屋で魘されるお方もござりますそうでござりまする。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
作例 · 標準
街道沿いには、江戸時代からの面影を残す旅籠屋が今も営業している。
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映画の舞台となったのは、風情ある老舗の旅籠屋だった。
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「あの旅籠屋の食事は絶品らしいぞ。」と旅人が話していた。
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