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溌墨

はつぼく
名詞
1
標準
文例 · 用例
溌墨の具合も至極宜しい、試して御覧なさいと、おれの前へ大きな硯を突きつける。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
溌墨の具合も至極よろしい、試してご覧なさいと、おれの前へ大きな硯を突きつける。
夏目漱石 坊っちゃん 青空文庫
片鱗を溌墨淋漓の間に点じて、なる調子とを具えている。
夏目漱石 草枕 青空文庫
一風変った画を描くのは誰にも知られていたが、極彩色の土佐画や花やかな四条派やあるいは溌墨淋漓たる南宗画でなければ気に入らなかった当時の大多数の美術愛好者には大津絵風の椿岳の泥画は余り喜ばれなかった。
――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 淡島椿岳 青空文庫
シナの名墨や、端溪などの名硯について、同様な研究をしてみたらいわゆる墨色とか、溌墨とかいう東洋の墨の神秘に科学的な説明がある程度まで与えられるかもしれない。
中谷宇吉郎 八幡馬と墨の研究 青空文庫
ところで墨の研究ならば、実験室だけでできることであるが、墨色とか、溌墨とかいう話になると、どうしても、紙の上に塗ってみなければならない。
中谷宇吉郎 八幡馬と墨の研究 青空文庫
それで子供の硯と墨とを借りて、さっそく墨色および溌墨の予備的研究にとりかかった。
中谷宇吉郎 八幡馬と墨の研究 青空文庫
銀泥の雪と溌墨の岩とが自然に成った絵である。
木暮理太郎 三国山と苗場山 青空文庫