須臾
しゅゆ異読 すゆ
名詞副詞
標準
moment
文例 · 用例
翁は須臾にして精神のみか肉体までも盛り上る土堆と関聯した生理的感覚を覚える。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
須臾して妻はや馬に乘りてゆらりと手綱を掻繰るに、帚は燃したり、婢の乘るべきものなし。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
高き靈よ、須臾の間も還れ、地に。
— 泉鏡花 『芥川龍之介氏を弔ふ』 青空文庫
その夜|更けて後、俄然として暴風起り、須臾のまに大方の提灯を吹き飛ばし、残らず灯きえて真闇になり申し候。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
死をもって万事清算がつく絶対のものと思い定め、それを落付きどころとして、その無からこの生を顧り、須臾の生なにほどの事やあると軽く思い做されるこころから、また死を眺めやってこれも軽いものに思い取る。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
僅かに得た人生の須臾の間の安らかな時間を、ひたすら受け容れようとして、日常の生活意識を杜絶した人々がみんな蝶にも見える。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
散歩の人たちは、蜘蛛の子を散らすように、ぱあっと飛び散り、どこへどう消え失せたのか、お化けみたい、たったいままで、あんなにたくさん人がいたのに、須臾にして、巷は閑散、新宿の舗道には、雨あしだけが白くしぶいて居りました。
— 太宰治 『愛と美について』 青空文庫
六 今はハヤ須臾の間も忍び難し、臆病者と笑はば笑へ、恥も外聞も要らばこそ、予は慌しく書斎を出でて奥座敷の方に駈行きぬ。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
作例 · 標準
須臾の間に空は暗雲に覆われ、激しい雷雨が降り出した。
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激しい戦乱の歴史も、宇宙の長い時間に比べればほんの須臾の出来事に過ぎない。
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彼は須臾の迷いもなく、溺れている子供を助けるために冷たい海へ飛び込んだ。
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