榊葉
さかきば
名詞
標準
文例 · 用例
少女子があたりと思へば榊葉の香をなつかしみとめてこそ折れ と源氏は言ったのであった。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
女御、神人の手に取り持たる榊葉に木綿かけ添ふる深き夜の霜 中務の君、祝子が木綿うち紛ひ置く霜は実にいちじるき神のしるしか そのほかの人々からも多くの歌は詠まれたが、書いておく必要がないと思って筆者は省いた。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
然らば其髯籠の本意は如何と言ふと、地祇・精霊或は一旦標山に招ぎ降した天神などこそ、地上に立てた所謂|一本薄(郷土研究二の四)、さては川戸のさゝら荻にも、榊葉にも、木綿しでにも、樒の一つ花(一本花とも)の類にも惹かれよつたであらうが、青空のそきへより降り来る神に至つては、必何かの目標を要した筈である。
— 折口信夫 『髯籠の話』 青空文庫
やがて子の刻間近くなると、道清の儀といって、御食、幣帛を奉り、禰宜が腰鼓羯鼓笏拍手をうち、浄衣を着た巫二人が榊葉を持って神楽を奏し、太刀を佩き胡※を負った神人が四方にむかって弓の弦を鳴らす。
— 猫眼の男 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
ふたりの前には、榊葉と神灯と神殿の奥の御鏡しかなかった。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
榊葉のかげに光る鏡を掠めて、下げ髪|水干の巫女が廊下の上へ静かに姿を立たせた。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
母堂の心のつつまれている白い物と、榊葉の青さとが、何か、清々しいものを人の胸へ映した。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫