曲がった
まがった
形容詞-語幹
標準
bent
文例 · 用例
「どうしたらいいだろうなあ」 山の祖神の翁は螺の如き腹と、えび蔓のように曲がった身体を岸の叢に靠せて、ぼんやりしていた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
anchor はラチンの anchara でまたギリシアのアンキユラで「曲がった鈎」であり、従ってまた英の angle とも関係しているらしい。
— 寺田寅彦 『言葉の不思議』 青空文庫
半七は頬かむりをして寺の門前に立つと、連れの男は折り曲がった練塀の横手にかくれて、蜘蛛のように塀ぎわに身をよせていた。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
肥った赤ら顔の快活そうな老西洋人が一人おり立って、曲がった泥よけをどうにか引き曲げて直した後に、片手を高くさしあげてわれわれをさしまねきながら大声で「ドモスミマシェン」と言って嫣然一笑した。
— 寺田寅彦 『あひると猿』 青空文庫
たとえば化学的分子の立体的構造を考えていた化学者や渦動原子の結合を夢みていた物理学者にはルクレチウスの曲がったり角立ったりした元子は必ずなんらかの暗示を与え得たであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
しかしタリム川の急に曲がった所から東のほうへかけてまさしく干上がった川床らしいもののある事に注意した。
— 寺田寅彦 『ロプ・ノールその他』 青空文庫
このようないろいろの騒がしい音はしばらくすると止まって、それが次の室に移り行くころには、足もとの壁に立っている蒸気暖房器の幾重にも折れ曲がった管の中をかすかにかすかにささやいて通る蒸気の音ばかりが快い暖まりを室内にみなぎらせる。
— 寺田寅彦 『病院の夜明けの物音』 青空文庫
子供の時分に、郷里の門前を流れる川が城山のふもとで急に曲がったあたりの、流れのよどみに一むらの蒲が生い茂っていた。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
標準
awry