閑々
かんかん
副詞-と形容詞-たる
標準
quietly
文例 · 用例
私は下を向いた儘、心は差迫りながら、それで居て閑々として、波の階律に比べて私の動悸が何の位早く打つかを算えて居た。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
又一方から見ると作者が創作人物の名前を悠々閑々と思案する……などいう事は今のスピード時代には望まれない事かも知れない。
— 夢野久作 『創作人物の名前について』 青空文庫
その責任上、永禄三年兵を関東平野に進め、関東の諸大名を威服し、永禄四年に北条|氏康を小田原城に囲んで、その城濠|蓮池のほとりで、馬から降り、城兵が鉄砲で狙い打つにも拘らず、悠々閑々として牀几に腰かけ、お茶を三杯まで飲んだ。
— 菊池寛 『川中島合戦』 青空文庫
すらりと飯櫃形の猿ヶ|馬場に、吹溜まった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、埋れ井戸には桔梗が咲き、薄に女郎花が交ったは、薄彩色の褥のようで、上座に猿丸太夫、眷属ずらりと居流れ、連歌でもしそうな模様じゃ。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
いまや私は決闘の時間だ、私に悠々閑々たるたたかひの時間を与へよ、いまや私は食事の時間だ、舞台の上のレストランだ、ビールはほんものだし、ブクブク泡の立つた奴だ、私はこいつをグイとひつかけて幾分酔ふ、滑稽なコロッケに憂鬱なソースをかけて喰ふ私の演技のこまかいところを買つてくれよ。
— 詩集(4)小熊秀雄詩集2 『小熊秀雄全集-5』 青空文庫
いわば悠々閑々と澄み渡った水の隣に、薄紙|一重の界も置かず、たぎり返って渦巻き流れる水がある。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
葉子は少しもそんな事を欲しないのに、葉子の心持ちには頓着なく、休む事なくとどまる事なく、悠々閑々として近づいて来る。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
処が中途でプツリと切れたので、直ぐ二十八番を呼出そうとすると、丸善は今焼けてるという交換局の返事だから、そりゃ大変というので……』と、恰も一里も先きに火事があったように悠々閑々と咄していた。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
作例 · 標準
古い書斎で、彼は一人閑々(かんかん)と読書にふけっていた。
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深夜、街は閑々(かんかん)として、車の音さえしない。
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彼女は人目を避け、森の奥で閑々(かんかん)と瞑想を続けた。
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週末、カフェの窓際で、彼はただぼんやりと、閑々(かんかん)と外を眺めていた。
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