糠漬け
ぬかづけ
名詞
標準
文例 · 用例
何がしといふ若者の宅では、その日の昼頃母ぢやが庭の隅の物置小屋に、多分昼食の仕度のためででもあつたらう、冬場の貯へに仕こんでおいたいわしの糠漬けを出しにいつた。
— 三好達治 『海辺の窓』 青空文庫
ぬか漬の胡瓜を一本出してそっと食べる。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
やぶれかぶれで、またぬか漬けの茄子を出して食べる。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
さういふ理由から糠漬の事を香の物といふのだ、と香道の人はむかしから言ひ伝へてゐるが、多分そんな事かも知れない。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
それに引かれて一日延ばしに日を送っていましたところ、或日の夕暮に食事の支度も出来て、糠漬を出そうと手を入れた時に、亭主は新漬がいいといい、継母は古漬がいいといういさかいが始まりました。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
それで今でも糠漬の匂を嗅ぐと、子供の顔を思出すといいます。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
いつてみると糠漬の樽はいつの間にやら何者かに盗まれて影も形もとどめない始末。
— 三好達治 『海辺の窓』 青空文庫