銀縁
ぎんぶち
名詞
標準
silver-rimmed
文例 · 用例
古骨というのは、やはり郁治や清三と同じく三里の道を朝早く熊谷に通った連中の一人だが、そのほんとうの号は機山といって、町でも屈指の青縞商の息子で、平生は角帯などをしめて、つねに色の白い顔に銀縁の近眼鏡をかけていた。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
三十五六の、面皰だらけな細顏で、髭が無く、銀縁の近眼鏡をかけて居たが、眼鏡越に時々猜疑深い樣な目付をする。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
三十五六の、面皰だらけな細顔で、髯が無く、銀縁の近眼鏡をかけて居たが、眼鏡越に時々|狐疑深い様な目付をする。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
家も見窄らしかったが、主人も襟垢の附た、近く寄ったら悪臭い匂が紛としそうな、銘仙か何かの衣服で、銀縁眼鏡で、汚い髯の処斑に生えた、土気色をした、一寸見れば病人のような、陰気な、くすんだ人で、ねちねちとした弁で、面を看合せると急いで俯向いて了う癖がある。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
ここの処なざあ、細い線のようです」 と言いながら、一人の御客様は袂から銀縁の大きな眼鏡を取出しました。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
青木は銀縁の眼鏡を掛けた、髪を五分刈にしている男で、原の出様が丁寧であった為に、すこし極りのわるそうに挨拶した。
— 島崎藤村 『並木』 青空文庫
帰りがけに父は町の時計屋で蔓の細い銀縁の眼鏡を私に買つてくれた。
— 嘉村礒多 『途上』 青空文庫
「どこへ、いらっしゃるの」 銀縁の古風な眼鏡をかけた瘠せた男は、見かえりもせずに、しめった声で、「丹沢の奥へ」 と、こたえた。
— 女の手 『キャラコさん』 青空文庫