濡れ手
ぬれて
名詞
標準
wet hands
文例 · 用例
ごとごとと溝板を踏み乍ら、勝手の方から濡れ手を拭き拭き駈けて来た下女のおすめが周章ててランプの心を馴れた手付きで捻じ細めた。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
遜は自分のあとからつかつか門内に入って来た供の者を一寸手で制して、尚よく家の中のけはいをうかがって居ると、裏庭に通じる潜り扉が開いて荘子の妻の田氏が手帛で濡れ手を拭き乍ら出て来た。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
」と、自分たちの談話室では庄亮が湯上りの浴衣の胸をはだけて、濡れ手拭で、きゅうきゅうと、まだ紅みの残ったその首筋を拭き出した。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
指の先が色に染まって、赤くなって血が浸んだようなのを怪んで聞くと、今日お墓参りをした時濡れ手で線香を持ったといって、(私母さんと御膳を食べたのは生れてからたった一度なんですもの、)と縋り着いて泣いた。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
村はずれまで来かかると、時雨がとうとうざっと降って来たので、半七は手拭をかぶりながら早足に急いでくると、路ばたに小さい蕎麦屋を見つけたので、彼は当座の雨やどりのつもりで、ともかくも暖簾をくぐると、四十ばかりの女房が雑巾のような手拭で濡れ手を拭きながら出て来た。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
彼は半七老人で、あさ湯帰りらしい濡れ手拭をぶら下げながら、暖い朝日のひかりに半面を照らさせていた。
— 唐人飴 『半七捕物帳』 青空文庫
武士も濡れ手拭をさげて二階へ昇って来た。
— 湯屋の二階 『半七捕物帳』 青空文庫
借金するという事実は非常に健康な事だが、催促状になると、もう不健康になるて」 と、大山は濡れ手拭で鉢巻をしながら言った。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
作例 · 標準
石鹸で手を洗ったばかりで、濡れ手のままドアノブを触ってしまった。
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濡れ手で電気製品に触るのは危険なので、やめましょう。
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彼の濡れ手からグラスが滑り落ち、床に落ちて割れた。
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