滾
滾
名詞
標準
文例 · 用例
由来わが血の大方は頭にのぼり、煮え返り、滾り泡だつ。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
富士の白雪のもたらす噴泉美は、シャスタ火山あたりにないでもないが、富士の水の滾々として、無尽蔵なるにおよばない。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
その雪田もズッと裾の方へ行くと、雪の穹門から水が滾々と湧き出ていて、洞内に高山植物などが美しく咲いている、但し夏日うっかり奥まで深く這入ると、雪がくずれて圧倒する危険がないとも限らぬ。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々と、何か小さく囁きながら清水が湧き出ているのである。
— 太宰治 『走れメロス』 青空文庫
「イヤ至極面白いんだ、何かの話の具合で我々の人生観を話すことになってね、まア聴いて居給え名論卓説、滾々として尽きずだから」「ナニ最早大概吐き尽したんですよ、貴様は我々俗物党と違がって真物なんだから、幸貴様のを聞きましょう、ね諸君!
— 国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』 青空文庫
かの女がその多量で滾々と湧いて尽きない新鮮な愛情は幾人かの男女をさまざまの意味の愛で愛し取った。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
生後二十余年間未開のままで蓄積されていた三木雄の生命の精力が視覚を密閉された狭い放路から今や滾々として溢れ出て来るのを感じた。
— 岡本かの子 『明暗』 青空文庫
「歳の瀬の忙しいとき夜ぐらいは家にいて手伝って呉れてもいいのに」 加奈江の母親も明子の母親も愚痴を滾した。
— 岡本かの子 『越年』 青空文庫