廃村
はいそん
名詞
標準
ghost town
文例 · 用例
荒物屋を兼ねた居酒屋らしい一軒から食物の香と男女のふざけ返った濁声がもれる外には、真直な家並は廃村のように寒さの前にちぢこまって、電信柱だけが、けうとい唸りを立てていた。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
笑声を後にして歩き出した時、私は、この寒い日に、わざわざこうして用もない不案内な廃村を訪ねてゆく自分の酔狂な企てを振り返ってみると、今の橋番の言葉が、何か皮肉に聞こえて、苦笑しないではいられなかった。
— 伊藤野枝 『転機』 青空文庫
先刻道を聞いた時、橋番がいっていたように、なるほど廃村谷中の跡はここから一と目に見渡せるのであった。
— 伊藤野枝 『転機』 青空文庫
一度はその廃村の趾を見ておきたいという私のねがいにも彼は賛成した。
— 伊藤野枝 『転機』 青空文庫
鉱毒被害民は今や殆ど其生活の権利をすらも失つて居ます、そして之を訴ふるの手段も杜かれて仕舞つたのです、彼等は法律と警察とに保護せられずに却つて之が為めに苦しんで居るやうです、別項西川生の廃村の記を御覧下さい。
— 幸徳秋水 『筆のしづく』 青空文庫
看よ、その四月、栃木県知事は谷中廃村の手順として、左の諮問案を出した。
— 木下尚江 『臨終の田中正造』 青空文庫
それから、廃村に桃の花が散り、七年の星霜を閲した。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
」 と伴法外――否、法外の名は先師弓削氏の霊に返戻して、すっぱりとまたもとの伴大次郎、あの三国ヶ嶽のふもと、山伏山の陰なる廃村|田万里の郷士あがり、天涯孤影、肩をそびやかして、恋妻の許を去ったのだ、大次は。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
作例 · 標準
過疎化が進み、その村はかつての活気を失い、やがて廃村となった。
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昔、金が採れたという噂のある山奥の廃村を訪れるのは、少し勇気がいる。
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調査団は、地図から消えかかった廃村で古い歴史的資料を発見した。
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