由ありげ
よしありげ
形容動詞
標準
meaningful
文例 · 用例
その傍に馬立てたる白髪の翁は角扣紐どめにせし緑の猟人服に、うすき褐いろの帽を戴けるのみなれど、何となく由ありげに見ゆ。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫
そのかたわらに馬立てたる白髪の翁は角ボタンどめにせし緑の猟人服に、うすき褐いろの帽をいただけるのみなれど、なにとなく由ありげに見ゆ。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫
恁る時桂木の身は危ふしとこそ予言したれ、幸に怪しき敵の見出し得ぬは、由ありげな媼が、身を以て桂木を庇ふ所為であらう。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
その人は齢六十路余に傾きて、顔は皺みたれど膚清く、切髪の容などなかなか由ありげにて、風俗も見苦からず、唯異様なるは茶微塵の御召縮緬の被風をも着ながら、更紗の小風呂敷包に油紙の上掛したるを矢筈に負ひて、薄穢き護謨底の運動靴を履いたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
左膳の手紙を、大岡さまとは知らないが、由ありげな武士に拾われてしまった諏訪栄三郎が、気の抜けたように露地の奥の自宅へ立ち帰って、ぼんやりと格子戸をあけると!
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
何か由ありげである。
— 和辻哲郎 『孔子』 青空文庫
竜右衛門は少しおどろいた、未婚の息子に侍女をつけるというのは、武家の習慣としては新式のほうであるし、従来の妻の主義からすれば、むしろ由ありげであった。
— 山本周五郎 『女は同じ物語』 青空文庫
それは父に預けられた書類包のことである、武庫から出して自分の部屋の長持の底へしまった、あの由ありげな包、――国許の老臣たちが父に強要していたと思えるあの書類包、……あの中にこんどの問題の証拠となるべき物が入っているのではあるまいか、そう思いついたのである。
— 山本周五郎 『落ち梅記』 青空文庫
作例 · 標準
「彼の沈黙は、何か由ありげな雰囲気を漂わせていた。」
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「その古い写真には、由ありげな物語が隠されているかのようだった。」
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「「あの人の表情、なんだか由ありげで気になるな…」」
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