濡れ仏
ぬれぼとけ
名詞
標準
Buddhist image in the open
文例 · 用例
墓地は銀杏の片かげり、また、白毫の濡れ仏。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
陸軍大将の川島は回向院の濡れ仏の石壇の前に佇みながら、味かたの軍隊を検閲した。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
その日も濡れ仏の石壇のまわりはほとんど鳩で一ぱいだった。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
それとも保吉はこの句さえ見れば、いつも濡れ仏の石壇のまわりにごみごみ群がっていた鳩を、――喉の奥にこもる声に薄日の光りを震わせていた鳩を思い出さずにはいられないのである。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
若し其の道が、越中へ抜ける道であるとか、飛騨へ下る岐れであったとしたら、私は本統に、濡れ仏のコチコチな白堊のような聖者となって、二千米突附近の疾駆する雲の脚に蹴散らされていたであろう。
— 河東碧梧桐 『登山は冒険なり』 青空文庫
これ新幡随院濡れ仏の縁起で、此の物語も少しは勧善懲悪の道を助くる事もやと、かく長々とお聴にいれました。
— 怪談牡丹灯籠 『怪談牡丹灯籠』 青空文庫
筋向うの、大きな濡れ仏の見えるお寺の角を急いで曲って、天王橋のところまででてきて、はじめて圓朝は、自分を取り戻したような心持になった。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
さらにその次の頁には「巣鴨真性寺(江戸六地蔵の一員なり)」として、濡れ仏を前に、ひろ/″\とした境内の絵が載録されてゐる。
— 正岡容 『巣鴨菊』 青空文庫
作例 · 標準
山の奥深くには、苔むした濡れ仏がひっそりと佇んでいた。
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旅行者は、道端に立つ古びた濡れ仏に手を合わせた。
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長年の風雨にさらされ、濡れ仏の表情はかすかにしか読み取れない。
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