書き残し
かきのこし
名詞
標準
文例 · 用例
樹枝を画く時にここへ後から鳥を止まらせる用意としてあらかじめ書き残しをしておくような細工はしないのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
数枝いいひと、死んでも忘れない、働かなければ、あたし、死ぬる、なんにも言えない、鴎は、あれは、唖の鳥です、とやや錯乱に似た言葉を書き残して、八重田数枝のアパアトから姿を消した。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
数枝いいひと、死んでも忘れない、働かなければ、あたし、死ぬる、なんにも言へない、鴎は、あれは、唖の鳥です、とやや錯乱に似た言葉を書き残して、八重田数枝のアパアトから姿を消した。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
発表せずとも、書き残して置くつもりです。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
こういう些細なことも昭和俳諧史のどこかのページの端に書き残しておいてもいいと思うので単なる現象記録としてここにしるしておくことにした。
— 寺田寅彦 『俳諧瑣談』 青空文庫
昔の詩人ルクレチウスは、物質の原子はちょうどアルファベットのようなもので、種々な言語が有限なアルファベットの組み合わせによって生ずるごとく、各種の物質がこれら原子の各種の組み合わせによって生ずると書き残したが、この考えは近世になって化学式というものによっていくらか科学的に実現された。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫
古人の書き残した多くの化け物の記録は、昔の人に不思議と思われた事実の記録と見る事ができる。
— 寺田寅彦 『化け物の進化』 青空文庫
ボルツマンやアーレニウスは、そういうプリンシプルの夢を書き残した。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫