這込
這込
名詞
標準
文例 · 用例
が、其の頭へ、棕櫚の毛をずぼりと被る、と梟が化けたやうな形に成つて、其のまゝ、べた/\と草を這つて、縁の下へ這込んだ。
— 泉鏡太郎 『人魚の祠』 青空文庫
お雪さんが、抱いたり、擦ったり、半狂乱でいる処へ、右の、ばらりざんと敗北した落武者が這込んで来た始末で……その悲惨さといったらありません。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
颯と色が薄く澄むと――横に倒れよう――とする、反らした指に――茸は残らず這込んで消えた――塗笠を拾ったが、「お客さん――これは人間ではありません。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
あの大掃除の検査の時さ、お巡査様が階子さして、天井裏へ瓦斯を点けて這込まっしゃる拍子に、洋刀の鐺が上って倒になった刀が抜けたで、下に居た饂飩屋の大面をちょん切って、鼻柱怪我ァした、一枚外れている処だ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
ところが、時々崖裏の石垣から、獺が這込んで、板廊下や厠に点いた燈を消して、悪戯をするげに言います。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
列子という身で這込みました。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
この憐むべき盲人は肩身狭げに下等室に這込みて、厄介ならざらんように片隅に踞りつ。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
」「はあ、蚊帳を抱く大入道、夜中に山霧が這込んでも、目をまわすほど怯かされる、よくあるやつじゃ。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫