愕
愕
名詞
標準
文例 · 用例
そして從來の交際で、未だかつて知らなかつた或る新しい發見が、この天才的な文學者の本質にひそんでゐることを、朧げながらも自覺して愕然とした。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
然し、それが朝の空に聳り立つてゐるのを見付けた瞬間、愕然と思ひ出した。
— 中原中也 『金沢の思ひ出』 青空文庫
私が此夏、鮎釣りに泳ぎ渡つた際、大きな蟻に臍を食ひつかれて愕いた、竜宮岩も紅葉の間に浮んで、静もりかへつてゐる。
— 葉山嘉樹 『運動会の風景』 青空文庫
あいつは) 彼と、彼を愕かした少年との間には、言葉の異う二つの国民位の、距離があった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
プラットフォームは、彼を再び絶望に近い恐愕に投げ込んだ。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
よし、こうなりゃやけくそだ) 恐愕の悪寒が、激怒の緊張に変った。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
」魚容は思わずそう言ってしまって、愕然とした。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
家の者に知らせたら、家の者は顔色を変えて驚愕していたが、私には「やっぱり、そうか」という首肯の気持のほうが強かった。
— 太宰治 『散華』 青空文庫