張り札
はりふだ
名詞
標準
文例 · 用例
この像の仕上げのために喜捨を募るという張り札がしてある。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
奥の廊下の扉のわきに「宝蔵見物のかたはここで番人をお待ちくだされたし」という張り札がしてある。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
賃餅の張り札や、カンテラの油煙を立てて乾鮭を商っている大道店などが目についた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
この四軒の二階の殆どすべては年中締め切られて、「明き間あり」の張り札の懸つてゐないことはない。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
序にお医者様の方を挙げると、或るお医者様は排米問題が起るとすぐに、表に「米国人の診察お断り」という張り札をして都人士の眼を驚かした。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
引き続いた世間一統の米高で、盗難はしきりに起こる、宿内での大きな造り酒屋、桝田屋と伏見屋との二軒の門口には、白米一升につき六百文で売り渡せとの文句を張り札にして、夜中にそれをはりつけて行くものさえあらわれる。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
あたしより、締切りの方が大切なんですから」「いや、締切りと云うことは、相手のいかなる事情をも退けると云う張り札なんだ。
— 横光利一 『春は馬車に乗って』 青空文庫
俺はこの張り札を見て引き受けて了った以上、自分の事情なんか考えてはいられない」「そうよ、あなたはそれほど理智的なのよ。
— 横光利一 『春は馬車に乗って』 青空文庫