授かり
さずかり
名詞
標準
文例 · 用例
」「……空からでしょうよ、池からでしょうよ、天女からお授かりなすったのかも知れませんね、羨しいったらありませんわねえ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
」「じょうだんじゃありません、かりにもそのくらいなものをお授かりになったんですのに。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
この子はなんと授かりものじゃ。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
拾った物は授かりものだと云って、政吉が口を酸くして勧めても、母子は強情に受け取ろうとしなかったので、彼はしまいには疳癪を起して、その小判を引っ掴んでどこへか黙って出て行ってしまった。
— 広重と河獺 『半七捕物帳』 青空文庫
あゝ若しこれが大金持ちか王様の娘であつたならば美事な着物を何枚も着せて大勢の人々に見せびらかさうものを、折角|此様に天人の様な美しい娘を授かり乍ら着せるものは汚い黒い襤褸しか無い、嗚呼何と云ふ情ない事であらうと娘の顔を見る度に涙を流して居りました。
— 夢野久作 『金銀の衣裳』 青空文庫
この日に限つてどうしても私に運が授かりません。
— 牧野信一 『青白き公園』 青空文庫
で、然るべき官等を授かり、地位も一級あがったが、すると彼は、密輸業者を一網打尽に検挙する案を提出して、その実行方法を自分に一任して貰いたいと願い出た。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
よしや一|斗の「モルヒ子」に死なぬ例ありとも月夜に釜を抜かれぬ工風を廻らし得べしとも、当世小説の功徳を授かり少しも其|利益を蒙らぬ事|曾て有るべしや。
— 三文字屋金平 『為文学者経』 青空文庫