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痩地

しゅうち
名詞
1
標準
文例 · 用例
熊さんが、どこへ持って行っても相手にしない、山根の、松林のかげで日当りの悪い痩地を、うまげにすゝめてくると、また、口車にのって、そんな土地まで、買ってしまった。
黒島傳治 浮動する地価 青空文庫
「しかし、先の方が痩地ばかり取って呉れるようになっとったのに今度は分が悪るなっとるぞ。
黒島傳治 浮動する地価 青空文庫
地球の北端――そこでは人の生活が、荒くれた自然の威力に圧倒されて、痩地におとされた雑草の種のように弱々しく頭をもたげてい、人類の活動の中心からは見のがされるほど隔たった地球の北端の一つの地角に、今、一つのすぐれた魂は悩んでいるのだ。
有島武郎 生まれいずる悩み 青空文庫
丘上は落葉松の殖林地と、未墾の草原とで中腹以下は痩地の桑畠や、粟畠になって、間に数条の作場道が通じて、それが中腹以上から合して一小径を作って居るのである。
島木赤彦 女子霧ヶ峰登山記 青空文庫
「ホラを福沢、嘘を諭吉」てふ嘲罵が彼れの上に蒙りしより以来今日に至るまで或は大俗人の如く、或は自利一辺の小人の如く、或は大山師の如く、種々様々の論評は彼に向けられしかども、槲樹は痩地にも根を深くし、雨にも風にも恐れずして漸く天を突くの勢を為せり。
山路愛山 明治文学史 青空文庫
その上、北上川以西の此の辺一帯は強い酸性土壌であり、知れ渡つた痩地である。
高村光太郎 開墾 青空文庫
此所のやうに自給自足すら覚束ないやうな痩地の所へは買出しの人さへやつて来ず、従つて農人はおのづから勤勉であると同時に悪びれもせず、人間本来の性情を素直に保つてゐる。
高村光太郎 開墾 青空文庫
彼は、山間の八千石に足らぬ痩地と、数百の家臣と、古びたままの小城とを享けて、乱世の中からさらに乱世へと臨んで行ったのである。
柳生石舟斎 剣の四君子 青空文庫