過多症
かたしょう
名詞
標準
文例 · 用例
激烈な胃酸過多症に襲はれて、飲酒への沈湎を断念しなければならなかつたこともある。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫
私には初江のようすはよく判らないけれども、藤枝真太郎がいつも過度の喫煙で、胃酸過多症にかかつている有様を思い合わせ、初江のようすがやはりどうもそうらしく思われるので、この際、何か制酸剤を与える事はわるくないと思い、林田にひそかに自分の考えを物語つた。
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
が、如何に活力に溢れてゐても、脂肪過多症の患者が存在し得る限り、やはり氏のそれは病的傾向に相違ない。
— 芥川龍之介 『あの頃の自分の事』 青空文庫
哀れな欲望過多症患者が人類撲滅の大志を抱いて、最後を遂げるに間近い夜だ。
— 富永太郎 『橋の上の自画像』 青空文庫
(尤も胃酸過多症の為に一つも食えなかったのは事実である。
— 芥川龍之介 『島木赤彦氏』 青空文庫
これを別の友人が簡略にして、彼を未来過多症と名づけた。
— 神西清 『灰色の眼の女』 青空文庫
さうしたその日その日のめまぐるしい廻転が、事件と人間との実に思ひがけない組合せをその襞々に畳んでゐて、さすがのこの未来過多症も、最初のうちは満足を自覚するいとまもないほど、ひたすら送迎に忙殺されてゐた。
— 神西清 『灰色の眼の女』 青空文庫
ただ、胃酸過多症だと云つて食後の柑橘の類には手をつけなかつた。
— 佐藤春夫 『芥川龍之介を憶ふ』 青空文庫