蹴放
蹴放
名詞
標準
文例 · 用例
その声の終らないうちに、式部は腰にさしている一刀をそこへ投げ出して起ったかと思うと、奥の襖を蹴放すようにして逃げ込んだので、半七はすぐに追って行った。
— 女行者 『半七捕物帳』 青空文庫
蕃童は母をうしろに、敢て立つ、岩根|蹴放つ。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
大次郎は掴みつく奴を力まかせに蹴放して、また寄って来ようとするところを抜撃ちに斬りました。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
(臺所の被れ障子を蹴放して、助八は擂粉木を持ちて跳り出づ。
— 岡本綺堂 『權三と助十』 青空文庫
奥さんはおどろいて障子を蹴放して縁さきへ転げ出すところを、また追っ掛けて行って滅茶苦茶になぐって……。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
男はその風呂敷包みをもぎ取って、取り縋る彼女を蹴放して本所の方へ逃げてしまった。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
蛇ではあるまいかと想像しながら、市松は足をあげて強く蹴放した。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
やがて奧の襖を蹴放して、山杉甚作が逃げて出るを、手先一人が追つて出づ。
— 岡本綺堂 『正雪の二代目』 青空文庫