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白花

しらはな
名詞
1
標準
文例 · 用例
路傍の石によろよろと咲く小白花はすなわち霜に痛める山菊である。
伊藤左千夫 白菊 青空文庫
上り初めると蝶ヶ岳が見える、この山もそれに続く熊村岳(宛字)も、谷から渦まき※る飛沫のような霧に、次第に包まれて来る、足許には白花石楠花や、白山一華の白いのが、うす明るく砂の上に映っている。
小島烏水 槍ヶ岳第三回登山 青空文庫
雪の下からは蒼黯い偃松が、杉菜ほどに小さく見えて、黄花石楠花は、白花石楠花に交って、その間にちらほらしている、一団の霧が槍へ吹っ懸けて、白い烟をパッと立てるので、一時は姿を没したが、又穂先だけ鋭く突き出す。
小島烏水 槍ヶ岳第三回登山 青空文庫
寝泊りした小舎の頭の、白花の咲く、ノリウツギの間からも起る。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
尻に敷いた褥は、可愛らしい高山植物で、チングルマの小さい白花、アカノツカサクラの赤い花などが、絨氈の斑紋になって、浮き上る、焚火の影に、鮮やかな織目を見せる。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
北西の一峰を踰えたことを記憶している、そこに何があったかと言えば、白花の石楠花があったことだけが答えられる。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
それも、横に曲りくねった、普通平地で見るような石楠花でなく、白花石楠花である。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
白花という名を冠らせるくらいだから白くはあるが、花冠の脊には、岩魚の皮膚のような、薄紅の曇りが潮し、花柱を取り巻いた五裂した花冠が、十個の雄蕊を抱き合うようにして漏斗の鉢のように開いている。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫