咄嗟
とっさ
名詞名詞-の形容詞頻度ランク #34684 · 青空 1354 例
標準
moment
文例 · 用例
咄嗟に小林は、秋山を引っ担いだ。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
もっとも私自身も郵便を投函する必要のあるとき自動車の運転手に「郵便函があったら留めてくれ」といおうか「ポストがあったらストップしてくれ」といおうか、どっちがよくわかるだろうかと咄嗟に迷うことがある。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
彼女はどちらかと云うと咄嗟の思い付きを愛する女で米良は自分の桃色の革命家の恋心について悲しまなかった。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
「金だけ置いてやらう……」と、咄嗟にさうした苦苦しい決心で自分を鞭打ちながら、私は仕方なく女のあとに續いた。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫
」 咄嗟に、気軽く陳はとび出て行った。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
この男は別に切符をくれともなんとも言いはしなかったが、しかし、あの咄嗟の場合に、自分が、もう少し血のめぐりの早い人間であったら、何も考えないで即座に電車切符をやらないではおかないであったろうと思われるほどに実に気の毒な思いをそそる何物かがあの父子の身辺につきまとっていたではないか。
— 寺田寅彦 『蒸発皿』 青空文庫
ポチは、咄嗟にくるりと向きなおったが、ちょっと躊躇し、私の顔色をそっと伺った。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
そして咄嗟に、習慣的になっている彼の不思議な機智は彼をこの急場からも救いだした。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫