有る様
あるよう
名詞
標準
文例 · 用例
親から月々学資を送つて貰ふ身分でゐながら、一度に弐拾円の三十円のと、人に用立てるなんて、如何にも無分別だとあるんですがね――何だか僕に責任が有る様に書いてあるから困る。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
「飛騨判官朝高という人は、曾て此の飛騨国の地頭職を勤めたことが有る様に記憶しています。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
取り出すと非常に黴臭いが、確かに女の着物で、是も二三種は有る様だ。
— 黒岩涙香 『幽霊塔』 青空文庫
彼は用ありげに余を引き留め「丸部さん、先刻秀子を引き立てるには猶だ三日の猶予が有る様に申しましたが事に由るとそれ丈の猶予がないこととなるかも知れません」余「エ、事に由ると、貴方はあれほど堅く約束して今更事に由るとなどは何の口で仰有るか」森「イヤ一つ言い忘れた事が有ります。
— 黒岩涙香 『幽霊塔』 青空文庫
いかにも思いあまった事が有る様に云うとすぐ千世子は聞いて仕舞たかった。
— 宮本百合子 『千世子(二)』 青空文庫
何となし足りないものが有る様に千世子は毎日少しばかりずつ書いたりして暮して居た。
— 宮本百合子 『蛋白石』 青空文庫
日記をつけるときにたった二三字でも読んだものに対する感じのまとまって来るときは安らかな、自分の中にどこか確かな所の有る様な心持になる。
— 宮本百合子 『無題(四)』 青空文庫
涙によって一変した人々の心のいつまでも変らずに有る様に―― けれ共それは親同胞でなければ出来得る事ではないだろう。
— 宮本百合子 『悲しめる心』 青空文庫