奥の深い
おくのふかい
表現形容詞
標準
deep
文例 · 用例
鼈甲屋や、衣裳屋、指物屋なぞの出入りが間遠になって来たのは、どうも怪訝しいと言う近所界隈の取沙汰じゃ……吾々もドウモそこいらが臭いような……事件の起りはその辺ではないかと言いたいような気持がするが、それから奥の深い事情が一つも判然らんけに困っとる。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
そして栄蔵の、涙に疲れた眼の、奥の奥の深い色を見たとき、栄蔵のほんたうの悲しみが、お母さんにわかつた。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
芸術となれば碁や将棋のようなものでも奥の深いものであるから、二週間や三週間では入口丈でも覗けないけれど、日常の小さな事などは誰しも直ちに徹底する事が出来るのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
額つき、眼つき、話しぶりで、大よその事は肇も知ったけれ共思って居る事の奥の深い処までその自分の想像をはたらかせない方が好いと思って居たのだ。
— 宮本百合子 『千世子(二)』 青空文庫
口を少しあけて、煙草のやににそまった黒い歯を出し、その奥の深い喉から、音を立ててくさい息が出て来ます。
— 豊島与志雄 『男ぎらい』 青空文庫
公の風貌の日本的、東洋的なものには大きさがあり、高さがあり、こまかさがあり、汲み尽せないような奥の深い陰影があり、世界に示すに足りると思うのである。
— 高村光太郎 『自作肖像漫談』 青空文庫
また私の魂は、いわば、最も奥の深いところへと探りすすんでいたのだから。
— 中井正一 『美学入門』 青空文庫
その声は大奥の深い簾の内からも出、水戸の野心と陰謀を疑う大名有司の仲間からも出た。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
作例 · 標準
例句