節略
せつりゃく
名詞
標準
文例 · 用例
それから又別の時、手水鉢の傍へ置く、手拭入れを買ひに行つて、それを又十錢値切つたといふ話がありますが、それはまあ節略して――何でも値切るのは十錢づゝ値切るものだと女房は思つて居る。
— 泉鏡太郎 『廓そだち』 青空文庫
――私たちは、蝙蝠傘を、階段に預けて、――如何に梅雨時とはいへ……本來は小舟でぬれても、雨のなゝめな繪に成るべき土地柄に對して、かう番ごと、繻子張を持出したのでは、をかしく蜴蟷傘の術でも使ひさうで眞に氣になる、以下この小道具を節略する。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
医※に載せてあるものが其全文で、訪古志には節略して取つてある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
」その二百十 わたくしは此年壬辰|閏十一月二十五日に頼山陽の未亡人里恵が広江秋水夫妻に寄せた書の後半より尚々書に亘る文を節略して上に挙げた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
(二人相似の点もなきに非ず) 余はなほ多くを言はんと思ひしも不折君出発後敵なきに矢を放つもいかがなれば要求質問注意の箇条を節略して左に記し以て長々しき文章の終となし置くべし。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
初め、編輯の體例は、簡約なるを旨として、收むべき言語の區域、または解釋の詳略などは、およそ、米國の「ヱブスター」氏の英語辭書中の「オクタボ」といふ節略體のものに傚ふべしとなり。
— 大槻文彦 『ことばのうみのおくがき』 青空文庫
それが漢書藝文志になる時に、餘程節略せられた。
— 内藤湖南 『支那目録學』 青空文庫
その説明は、すでに『哲学会雑誌』にのせて世に公にせるも、左にその一部分を抜粋節略し、かつこれに説明を付記すべし。
— 井上円了 『妖怪学』 青空文庫