物案じ
ものあんじ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞動詞-自動詞
標準
anxiety
文例 · 用例
年は二十を越ゆるようやく三つ四つ、背高く肉やせたり、顔だち凜々しく人柄も順良に見ゆれどいつも物案じ顔に道ゆくを、出であうこの地の人々は病める人ぞと判じいたり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
青年は童に別れ、独り流れに沿うて林を出で、水車場の庭に入れば翁一人、物案じ顔に大空を仰ぎいたり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
けれども母と叔母はさしむかいでいても決して笑い転げるようなことはありません、二人とも言葉の少ない、物案じ顔の、色つやの悪い女でしたが、何か優しい低い声でひそひそ話し合っていました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
また、ほかのお歌も、以前のやうに興の湧くままにさらさらと事もなげにお作りなさるといふやうなことは、少くなりまして、さうして、たまには、紙に上の句をお書きになつただけで物案じなされ、筆をお置きになり、その紙を破り棄てなさる事さへ見受けられるやうになりました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
けれども将軍家は、お破りになりながらも別段けはしいお顔をなさるわけではなく、例のやうに、白く光るお歯をちらと覗かせて美しくお笑ひになり、コノゴロ和歌ガワカツテ来マシタ などとおつしやつて、またぼんやり物案じにふけるのでございました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
窓の机に向って、ゆうがた、独り物案じに沈み、見るともなしにそとをながめていると、しばらく忘れていたいちじくの樹が、大きなみずみずした青葉と結んでいる果とをもって、僕の労れた目を醒まし、労れた心を導いて、家のことを思い出させた。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
暫く物案じをして居たがすぐに其所を始末して母へ暇を告げて出て行つた。
— 長塚節 『隣室の客』 青空文庫
ゐない時は、やさしく、はにかんでゐるかと思ふと、なぜと云ふこともなく度々陰気な物案じに陥いる。
— SANKT NIKOLAUS BEI DEN SCHIFFERN 『聖ニコラウスの夜』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は些細なことでも物案じする癖があり、いつも不安そうな顔をしている。
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「そんなに物案じしていても始まらないよ、まずは行動してみよう」
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夜中に一人で将来のことを考えていると、つい物案じが止まらなくなる。
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