隠し田
かくしだ
名詞
標準
unregistered rice field
文例 · 用例
泰文は無気味な冷笑をうかべて、それはもともと嫁資の一部をなしているはずのものだから、こちらの領分へとりこむが、そのほかの隠し田をあるだけさらけださなければ、童めらを勘当すると脅しつけた。
— 久生十蘭 『無月物語』 青空文庫
朝霞は泰文の気持を忖度しかねて悩んでいたが、そういうことも度重なると、つい心をゆるし、将来の不幸を見越して、子供たちのために別にしてあった……どんなに責められても言わなかった隠し田のありかを白状してしまった。
— 久生十蘭 『無月物語』 青空文庫
泰文は無気味な冷笑をうかべ、それはもともと嫁資の一部をなしているはずのものだから、そうと聞いたからには、さっそくこちらの領分へとりこむ、金のかかる三人のやつめらは、今日かぎり勘当するが、なお、あるだけの隠し田をさらけださなければ、二人の女童のほうも家から追いだしてしまうと脅しつけた。
— 久生十蘭 『無月物語』 青空文庫
朝霞は泰文の気持をはかりかねて悩んでいたが、そういうことも度重なるとつい心をゆるし、どんなに責められても言わなかった隠し田のありかを白状してしまった。
— 久生十蘭 『無月物語』 青空文庫
多分、バッハ頃から段々人類は大脳ばかりをでかくしだしたのだ。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
」恁う言ふ時は、七三や、耳かくしだと時間に間違ひはなからう。
— 泉鏡太郎 『雨ふり』 青空文庫
きょうのわたしたち女性はデスデモーナのその恐怖やかくしだてを、全くあわれな、おろかしいルネッサンス婦人の卑屈さとして感じる。
— 宮本百合子 『デスデモーナのハンカチーフ』 青空文庫
しかしローレンスが性について語るとき、彼と彼女とは裸の神々のようにむき出しで、自然がその営みにおいてそうであるように、それ自体充実したコースをたどって、かくしだてがない。
— ――ふたたび純潔について―― 『傷だらけの足』 青空文庫
作例 · 標準
重い年貢から逃れるため、村人たちは山奥の険しい斜面を切り拓いて隠し田を作った。
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「へえ、こんな人里離れたところに隠し田の跡があるなんて。当時の苦労が偲ばれるね」
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検地役人の目を盗んで隠し田を維持し続けるのは、命がけの博打のようなものだった。
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