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誘掖

ゆうえき
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかし、後進を誘掖する地位にいる時には、この事は注意しなければならない。
寺田寅彦 鑢屑 青空文庫
そして書を茶山に寄せて丙戌以後蘭軒が頻に詩会を催して少年子弟を誘掖することを告げた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
斯く言へばとて予は決して今日の青年の思想的傾向を是認する者に非ず、唯彼等の今日あるは長き因縁と深き事情とに因するを知るのみ、之を匡正し誘掖するには、自から他に途あるべし。
石川啄木 無題 青空文庫
特に逍遙氏の如きは、シヱーキスピア流の客観性詩人よりもギヨオテが代表する一派の主観性の詩人を学ぶべしなど、後進を誘掖するに到りては、今の独逸文学に酔へる青年幻想家、いかでか一鞭を揮ふて、馬を原頭に立るの勇気無らん。
北村透谷 劇詩の前途如何 青空文庫
故二葉亭に関する坪内君の厚情は実に言舌を以て尽しがたいほどで、私如きは二葉亭とは最も親密に交際して精神上には非常に誘掖されてるにも関わらず、二葉亭に対していまだかつて何も酬うておらぬ。
――坪内逍遥―― 明治の文学の開拓者 青空文庫
この説やもって旧時の思想を攪破するに足る、しかれども旧時の思想を誘掖するにはいまだ充分なりというべからず。
陸羯南 近時政論考 青空文庫
自由論派はこれに反してもっぱら自由の理、平等の理を唱道し、むしろ史蹟および現状を攻撃してただその信ずるところの道理を講じたるは、もって旧慣を攪破するに足るもいまだ人心を誘掖するに充分ならざりき、要するに自由論派はこの点において一の純理的論派なり。
陸羯南 近時政論考 青空文庫
もとより、市長はじめ公共の識者たちの善意の誘掖もあったであろうが、元は市民の間から自然に起ったものと見るべきであろう。
豊島与志雄 ヒロシマの声 青空文庫