酒船
さかふね
名詞
標準
文例 · 用例
むしろ帆張りて酒船の、 ふとあらはるゝまみまぢか、をのこは三たり舷に、 こちを見おろし見すくむる。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
「八つの門」のそれぞれに「酒船を置きて」とあるのは、現在でも各地方の沢の下端によくあるような貯水池を連想させる。
— 寺田寅彦 『神話と地球物理学』 青空文庫
武江年表を検するに、閏六月より八月に至るまで雨が多く、七月二十五日の下に「酒船入津絶えて市中酒なし」と書してある。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
納戸の記憶船は酒船父の船三十五|反の帆をまくや玄海灘の夏の雲。
— 絵入り小唄集 『どんたく』 青空文庫
海から見る山では、讃岐の象頭山と神戸の摩耶山を思ひ出す、象頭山は十六歳の私、郷里を落ちて九州へゆく時祖父と二人酒船の中から見たのと、神戸の中學へ入學した年、船の中から見た摩耶山は今も忘れないが、今見たらつまらない山かも知れない。
— 竹久夢二 『砂がき』 青空文庫
水船、酒船、料理船、青物船、小間物船、裁縫船、洗濯船、見世物船、蒸気風呂船、内科医船、外科医船、そのほか日常の事物坐ながらに用を弁ずべし。
— 正岡子規 『四百年後の東京』 青空文庫
「灘の酒船の出るところはどこでしょうか?
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
「灘の酒船の出るところはどこでしょうか。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫