小荷駄
こにだ
名詞
標準
文例 · 用例
馬士が戻るのか小荷駄が通るか、今朝一人の百姓に別れてから時の経つたは僅ぢやが、三|年も五|年も同一ものをいふ人間とは中を隔てた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
従ってあのときの恨みも橋の興味にくくりつけた小荷駄のようになって一しょにせり上って来た。
— 岡本かの子 『橋』 青空文庫
馬士が戻るのか小荷駄が通るか、今朝一人の百姓に別れてから時の経ったは僅じゃが、三年も五年も同一ものをいう人間とは中を隔てた。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
当時の武士、喧嘩商買、人殺し業、城取り、国取り、小荷駄取り、即ち物取りを専門にしている武士というものも、然様然様チャンチャンバラばかり続いている訳では無いから、たまには休息して平穏に暮らしている日もある。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
たまさか通りがかりの人声の、小荷駄馬でも曳き、蓆でも着て、裏の岨路を、えつちやほう、はいしとうとうと叱りながらに上り下りする、耳につき、つい目につくのも心丈夫な思ひがする。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
小荷駄馬が揃つてとぼ/\と降りて來る。
— 長塚節 『痍のあと』 青空文庫
道中の駅々では鞍置馬百五十|疋、小荷駄馬二百余疋、人足三百余人を続ぎ立てた。
— 森鴎外 『佐橋甚五郎』 青空文庫
あの絶頂に登りつめて瞰おろしたら、四里四方の敵軍は眼の下で、小荷駄を運ぶ馬の鬣毛のそよぐまでもありありと窺わるるのじゃ。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫