無技巧
むぎこう
形容動詞名詞
標準
artless
文例 · 用例
しかしながら思ふに、多彩の極致は單色であり、複雜の極致は素朴であり、そしてあらゆる進化した技巧の極致は、無技巧の自然的單一に歸するのである。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
津田君は先達て催した作画展覧会の目録の序で自白しているように「技巧一点張主義を廃し新なる眼を開いて自然を見直し無技巧無細工の自然描写に還り」たいという考えをもっている人である。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
原始的無技巧という点では野蛮人の絵や子供の絵は最も代表的のものであろう。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
殊に彼の『イディオット』の主人公の無技巧な人格の美に対して感じるような快感を津田君の画から味わい得られる。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
一見無技巧のやうな言葉の中にこそ、近代人の鋭どい感性が働いてゐるのだ。
— 萩原朔太郎 『室生犀星の印象』 青空文庫
その無技巧の丸い眼と、特殊の動作とから、復一の養い親の宗十郎は、大事なお得意の令嬢だから大きな声ではいえないがと断って、「まるで、金魚の蘭鋳だ」 と笑った。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
無技巧の技巧などと澄まし反つてゐられないのであつた。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
親身に持ちかけてみたり、よそよそしく取りなしてみたり、その時の気分気分で勝手な無技巧な事をしていながらも、どうしてものがれ出る事のできないのは倉地に対するこちんと固まった深い執着だった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の歌声は、無技巧ながらも心に響くものがあった。
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子供の描いた絵は、無技巧な線が魅力的だ。
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彼のスピーチは無技巧で飾らない言葉だったが、聴衆に強い印象を与えた。
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