孤城落日
こじょうらくじつ
名詞
標準
feeling (looking) lone and helpless
文例 · 用例
」と傍に座を給い、「婦人方の席へ我一人孤城落日という処じゃ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
自然は吾人に服従を命ずるものなり、「力」としての自然は、吾人を暴圧することを憚らざるものなり、「誘惑」を向け、「慾情」を向け、「空想」を向け、吾人をして殆ど孤城落日の地位に立たしむるを好むものなり、而して吾人は或る度までは必らず服従せざるべからざる「運命」、然り、悲しき「運命」に包まれてあるなり。
— 北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』 青空文庫
すべてこの調子で、象牙彫りは一世を圧倒するの勢いでありましたが、それに引き代え、木彫りは孤城落日の姿で、まことに散々な有様でありました。
— 象牙彫り全盛時代のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
団菊健在ですらもあの始末であったのに、今や団菊逝き、左団次おとろえ、いわゆる孤城落日ともいうべき体たらくの折柄に、再びこの戦争を繰返されては堪まったものでない。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
彼女が白粉と紅と入毛と擬造の宝石とを以て、破壊の「時」と戦へる其の面は孤城落日の悲壮美を示さずや。
— 永井荷風 『夜あるき』 青空文庫
主人のあばたもその振わざる事においては宗伯老のかごと一般で、はたから見ると気の毒なくらいだが、漢法医にも劣らざる頑固な主人は依然として孤城落日のあばたを天下に曝露しつつ毎日登校してリードルを教えている。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
かく無雜作に荷が動けば、神戸港も大阪で集散する物資には使用せられなくなるから、孤城落日の感あるかと推察せらるゝ。
— 長岡半太郎 『大阪といふところ』 青空文庫
志道軒の孫弟子なにがしの辻講釈、冬の陣における真田父子の働きぶりをたたきにたたいておりますが、戸板にかこまれた木戸銭の影も斑らで、このならびでは一番の不入り、孤城落日のところだなとは、馬春堂が心でおかしく思った半畳でした。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
作例 · 標準
かつての巨大企業も、今やライバル社に押されて孤城落日の様相を呈している。
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「一世を風靡したスターが、地方の古い舞台で細々と演じる姿は孤城落日の感がある。」
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孤城落日の運命を悟った将軍は、静かに刀を置き、自らの最期を受け入れた。
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