芒
のぎ
名詞
標準
arista
文例 · 用例
片側の大名邸の高い土堤の上に茂り重なる萩青芒の上から、芭蕉の広葉が大わらわに道へ差し出て、街燈の下まで垂れ下がり、風の夜は大きな黒い影が道一杯にゆれる。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
芒の蓬々たるあれば萩の道に溢れんとする、さては芙蓉の白き紅なる、紫苑、女郎花、藤袴、釣鐘花、虎の尾、鶏頭、鳳仙花、水引の花さま/″\に咲き乱れて、径その間に通じ、道傍に何々塚の立つなどあり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
山霧深うして記号標の芒の中に淋しげなる、霜夜の頃やいかに淋しからん。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
出すかと思うと一飛びに土堤を飛越えてまた芒の上をチラリ/\して行く。
— 寺田寅彦 『車』 青空文庫
眼の前には、雁木の凹みのように、小さな峰が分れて、そこから日本アルプスの禿げた頭が、ぐいと出ている、雪の線が二筋三筋ほど、芒に白い斑が入ったように、細く刻まれて、荒ららかな膚に、美しい白紐を引き締めている。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
時に四時四十七分、東方より金芒爛として飛ぶ、槍も穂高も、半肩以上は微黄となり、以下は大天井岳をはじめ、その一帯山脈の影が、かぶさるので闇い衣を被ている、日の昇るに伴れて、附近の大山岳、幾百の頭臚皆起って舞う。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
白い吹雪が大原の中を、点々と飛ぶ、大きく畝ねる波系が、白くざわざわと、金剛杖に掻き分けられて、裾に靡く、吹雪は野菊の花で、波系は芒の穂である。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
麦こなしは芒がえらえらからだに入って大へんつらい仕事です。
— 宮沢賢治 『イギリス海岸』 青空文庫
作例 · 標準
稲穂が実り、その芒が風に揺れている光景は秋の風物詩だ。
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オオムギの芒は長く、触ると少しちくちくする。
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植物学者は、芒の形状によって品種を識別する。
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ウィキペディア
芒(のぎ)は、コメ、ムギなどイネ科の植物の小穂を構成する鱗片(穎)の先端にある棘状の突起のこと。のげ、ぼう、はしかとも言う。ススキのことを芒とも書くが、これに似たイネ科の植物にオギ(荻)がある。ススキには芒があるが、オギには芒がない。二十四節気のうち芒種(ぼうしゅ)は、芒を持つ植物の種を蒔く時期のことである。また、陶器などの表面に現れる芒状の細長い斑紋を芒になぞらえて芒目(のぎめ)と呼ぶ。
出典: 芒 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0