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惜福

せきふく
名詞
1
標準
文例 · 用例
惜福の説(幸福三説第一)船を出して風に遇ふのに何の不思議は無い。
幸田露伴 努力論 青空文庫
第一に幸福に遇ふ人を觀ると、多くは『惜福』の工夫のある人であつて、然らざる否運の人を觀ると、十の八九までは、少しも惜福の工夫の無い人である。
幸田露伴 努力論 青空文庫
福を惜む人が必らずしも福に遇ふとは限るまいが、何樣も惜福の工夫と福との間には關係の除き去る可からざるものが有るに相違ない。
幸田露伴 努力論 青空文庫
惜福とは何樣いふものかといふと、福を使ひ盡し取り盡して終はぬをいふのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
たとへば掌中に百金を有するとして、之を浪費に使ひ盡して半文錢も無きに至るがごときは、惜福の工夫の無いのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
正當に使用するほかには敢て使用せずして、之を妄擲浪費せざるは惜福である。
幸田露伴 努力論 青空文庫
吾が慈母よりして新たに贈られたる衣服ありと假定すれば、其の美麗にして輕暖なるを悦びて、舊衣猶ほ未だ敝れざるに之を着用して、舊衣をば行李中に押まろめたるまゝ、黴と垢とに汚さしめ、新衣をば早くも着崩して、折目も見えざるに至らしむるが如きは、惜福の工夫の無いのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
併しそれは福を惜まぬので、二十輪の花の蕾を、七八輪も十餘輪も摘み去つて終ひ、百顆の果實を未だ實らざるに先立つて數十顆を摘み去るが如きは惜福である。
幸田露伴 努力論 青空文庫